
組織の「修復」と「機能回復」
身体の回復には、段階に応じた適切なアプローチが必要です。
当院では、次の3つの役割を組み合わせて治療を行います。
土壌を整える
体外衝撃波
硬くなった組織に物理的刺激を与え、血流改善や細胞活性化を促します。いわば「土壌を耕して修復しやすい環境を作る」治療です。
修復を促す
再生医療(PRP・動注治療など)
活性化された組織に成長因子や修復シグナルを届け、修復を加速させます。いわば「修復を後押しする肥料」の治療です。
動きを回復させる
最新磁気刺激治療(高電磁波誘導器:SIS)
整った環境に対し、磁気の力で深部の筋肉や神経を刺激します。弱った機能を「再教育」し、正しい動きという種を根付かせ、健やかな生活を育てていく仕上げの工程です。
体外衝撃波治療(ESWT)
体外衝撃波治療とは、専用の装置から発生させた衝撃波を体外から患部へ照射し、痛みの軽減と組織修復を促す治療法です。
メスや注射を使わない低侵襲治療として、欧米を中心に広く普及し、スポーツ医療の分野でも標準的な保存療法の一つとして位置づけられています。
当院では、慢性的な痛みの改善だけでなく、組織の再生・修復を重視した治療として体外衝撃波を活用しています。
再生医療と組み合わせた「組織修復重視」の治療
治療効果には個人差があり、リハビリやPRP療法などの再生医療と併せて行うことでより効果が期待できます。
衝撃波により血流改善・細胞活性化・修復環境を整え、そのうえで再生医療を行うことで、より効率的な組織修復が期待できます。
単なる痛み止めではなく「治す力を高める治療」を重視しています。
収束型と拡散型(圧力波)の2種類を完備
当院では症状に応じて最適な治療を行うため、
- 深部病変に作用する 収束型衝撃波
- 広範囲の筋・腱・軟部組織に作用する 拡散型衝撃波(圧力波)
の2種類の装置を使い分けています。
病態や痛みの部位、深さ、目的(除痛・修復)に応じて適切な治療を選択します。
STORZ MEDICAL社 デュオリスSD1 ウルトラ Duolith SD1 収束型衝撃波 Shock waves
STORZ MEDICAL社 マスターパルス MP100 MASTERPULS® MP100 拡散型衝撃波(圧力波) Pressure waves
集束型体外衝撃波と拡散型圧力波が最も高いエネルギーを発生する深度の違いのイメージ
体外衝撃波の作用
体外衝撃波には主に2つの作用があります。
① 短期的な除痛作用
- 痛みを感じる神経の過敏性を低下させる
- 痛みを伝える物質を減少させる
② 組織修復・再生促進作用
- 血管新生を促進し血流を改善
- コラーゲン産生を促進
- 腱や靭帯の修復を促進
その結果、慢性炎症や治りにくい障害の改善が期待できます。
主な適応疾患
1.保険適用となる疾患
一定の条件を満たす場合、保険診療で治療が可能です。
●難治性足底腱膜炎
6か月以上の保存療法でも改善しない慢性的な足裏の痛み
2.保険適用外となる主な適応
日本では体外衝撃波治療の保険適用は難治性足底腱膜炎に限られていますが、海外では多くの運動器疾患に対して、治療効果に関する研究や臨床報告が蓄積されています。
当院ではこれらの知見を踏まえ、保険適用外の疾患に対しても、病態を慎重に評価したうえで International Society for Medical Shockwave Treatment(国際衝撃波治療学会)の情報も参考にして適応を判断しています。
Indications | ISMST
① 標準的適応(エビデンスが比較的確立されているもの)
●腱・靱帯の障害(慢性腱障害)
- 石灰沈着性腱板炎(肩)
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 大転子部痛症候群(股関節外側の痛み)
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- アキレス腱炎
- 足底腱膜炎(踵骨棘の有無を問わず)
- ばね指
●骨の障害
- 骨折遷延治癒(治りが遅い骨折)
- 偽関節(骨がつかない状態)
- 疲労骨折(腰椎分離症、中足骨、仙骨など)
- 血流障害による骨壊死(関節変形を伴わないもの)
- 離断性骨軟骨炎(関節変形を伴わないもの)
●皮膚・軟部組織
- 創傷治癒遅延(治りにくい傷)
- 皮膚潰瘍
- 非全周性の熱傷
- セルライト
●神経・筋の異常
- 痙縮(筋肉の異常な緊張)
② 臨床的に広く用いられている適応(経験的エビデンス)
●腱障害
- 非石灰性腱板炎(肩)
- 内側上顆炎(ゴルフ肘)
- 内転筋腱障害
- 鵞足炎(膝内側の痛み)
- 腓骨筋腱炎
- 足関節・足部の腱障害
●骨・関節
- 骨髄浮腫(Bone marrow edema):変形性膝関節症に伴う骨髄異常病変
- オスグッド病
- シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
- 変形性膝関節症
●筋肉の障害
- 筋膜性疼痛症候群
- 筋損傷(断裂を伴わないもの)
●神経疾患
- 軽度〜中等度の手根管症候群
●その他
- リンパ浮腫
③ 専門的判断のもとで行われる適応(高度・選択的)
●運動器疾患
- 膝以外の変形性関節症
- デュピュイトラン拘縮
- 足底線維腫症(レーダーホーゼ病)
- ドゥケルバン病
- 椎間関節性疼痛
●神経疾患
- モートン神経腫
- 多発性神経障害
なぜ膝の痛みは長引くのでしょうか?
変形性膝関節症の治療というと、
- ヒアルロン酸注射
- 消炎鎮痛薬
- リハビリテーション
- PRPなどの再生医療
が一般的です。
これらは主に関節軟骨や滑膜など、関節内部に対する治療として行われています。
しかし近年のMRI研究では、膝の痛みの強い患者さんでは、軟骨だけでなく「骨の内部」にも異常が生じていることが明らかになってきました。
特に、
- 骨髄病変(Bone Marrow Lesion:BML)
- 軟骨下骨の脆弱化
- 軟骨下骨嚢胞
- 骨壊死
- 軟骨下骨プレートの微細損傷
などは、膝の痛みや変形の進行と深く関連すると考えられています。
つまり、変形性膝関節症は単なる「軟骨のすり減り」ではなく、
軟骨・骨・滑膜・半月板など関節全体の病気
として捉えられるようになっています。
「骨」に注目した新しい考え方
従来のレントゲン検査では、軟骨のすり減りや骨棘(骨のとげ)は確認できますが、骨の内部で起きている変化までは分かりません。
一方、MRIでは骨髄病変(BML)などの異常を確認できることがあり、このような病変を有する患者さんでは
- 強い痛み
- 歩行能力の低下
- 変形の進行
が生じやすいことが報告されています。
そのため近年では、
「軟骨だけを見る時代」から
「骨を含めた関節全体を見る時代」へ
と変わりつつあります。
当院の考え方
わせだ整形外科では、
- レントゲン
- 超音波(エコー)
- 必要に応じたMRI検査
を組み合わせながら、
痛みの原因が
- 関節内炎症なのか
- 半月板なのか
- 骨由来なのか
- 筋肉や腱なのか
を評価し、患者さんごとに最適な治療を提案しています。
治療は
- リハビリテーション
- 注射治療
- PRPなどの再生医療
- 動注治療
- 体外衝撃波治療(ESWT)
などを組み合わせながら、手術を避けられる可能性を最大限追求しています。
保険診療と保険外診療の違いについて
体外衝撃波治療には、保険診療と保険外診療(自由診療)の2つの方法があります。
保険診療では「6か月以上の保存療法で改善しない難治性足底腱膜炎」に限られ、制限があります。
一方、保険外診療(自由診療)では、
- 症状の早い段階から治療を開始できる
- 回数や照射設定を柔軟に調整できる
- 足底腱膜炎以外の疾患にも対応可能
といった特徴があります。
当院では、患者さんの状態やご希望に応じて、最適な治療方法をご提案いたします。
安全性について
体外衝撃波は非侵襲的な治療であり、感染リスクはありません。副作用はまれで、以下が一時的に起こることがあります。
- 発赤
- 軽度の腫れ
- 皮下出血
通常は自然に改善します。
治療の流れ
- 1回の治療時間:約10~20分
- 通常は1~2週間間隔で複数回実施
- 麻酔不要、治療後すぐ歩行可能
体外衝撃波治療はスリーステップです。
- Step 1;セッティング
医師により傷害部位を超音波(エコー)検査・MRIにより照射部位を設定していきます。
- Step 2;ショック
痛みのない低いレベルの照射から開始し、反応を見ながら徐々に出力を上げていきます。2,500発に達したら終了です。
- Step 3;インターバル
活性化した組織の修復期間をおくため1~2週間ほどの間隔を空けて再度照射します。
照射時に痛みを感じることがありますが、出力調整が可能なため耐えられる範囲で治療を行います。
体外衝撃波の治療における注意点
体外衝撃波治療、特に集束型体外衝撃波は、短期的な痛みの軽減だけでなく、傷んだ組織の修復を促す作用を持つ治療です。
単に痛みを和らげるだけの治療とは異なり、身体が本来持つ修復力を高め、根本的な改善を目指します。
治療効果には「時間差」があります
体外衝撃波には、
- 痛みを軽減する作用
- 組織を修復する作用
の2つがあります。
ただし、この2つは同時に起こるわけではありません。
照射後は比較的早い段階で、痛みの原因となる異常な神経(モヤモヤ神経)の働きが抑えられ、痛みが軽くなることがあります。
しかしこれは「治った」というより「痛みが和らいだ状態」です。
一方、組織の修復は時間をかけて徐々に進んでいきます。
痛みが軽くなっても無理をしないことが大切です
痛みが軽減すると、「もう治った」と感じて活動量を急に増やしてしまうことがあります。
しかし組織はまだ修復の途中です。
この時期に無理をすると、回復が遅れたり症状が再発したりする可能性があります。
当院では、体外衝撃波の効果を最大限に引き出すため、
- 病態の正確な評価
- 適切な照射設定
- 回復過程に合わせた運動調整
- リハビリ・再生医療との組み合わせ
を行っています。
患者さんと治療目標を共有しながら、安全に回復を進めていくことを大切にしています。
体外衝撃波は非常に有効な治療ですが、運動復帰には正しいタイミングと適切な管理が重要です。
痛みの変化や運動量については、医師やリハビリスタッフと相談しながら進めていきましょう。
高電磁波誘導器(SIS):最新磁気刺激治療
「急な腰の痛みで動けない」「長引く不調で身体が重い」「リハビリでも筋力が戻らない」 わせだ整形外科のSISは、そのようなあらゆるステージの「痛み」と「動き」の悩みに応える、先進的な保存療法です 。
神経と筋肉に働きかけ、身体本来の動きを取り戻す治療
SISは、高密度のパルス磁気を用いて、リハビリによる徒手的な手技や従来の電気治療では届きにくい身体の深部にある筋肉や神経を直接刺激する治療です。
磁気刺激によって体内に微弱な電流が生じ、
- 筋肉の収縮を促す
- 神経の働きを整える
- 血流を改善する
といった作用が引き出されます。
その結果、痛みの軽減と機能回復を同時に目指すことができる治療です。
BTL-6000 SIS™
SISの主な特徴
筋肉の再活性化
痛みやケガによって使い方が分からなくなった筋肉を刺激し、本来の働きを取り戻すサポートをします。
神経機能の調整
乱れた神経伝達を整えることで、痛みやしびれの過敏な状態を改善します。
身体への負担が少ない治療
服の上から施術でき、痛みも少なく短時間で行うことが可能です。
症状の段階に応じた「3つの役割」
SISは刺激設定を調整することで、急性期から慢性期まで幅広く活用できます。
①急性期(ぎっくり腰・寝違え・捻挫など)
炎症が強く患部に触れられない時期でも、磁気刺激によって痛みの軽減を図ることができます。
②回復期(骨折後・術後・スポーツ外傷など)
筋肉の収縮を促すことで、筋力低下や関節機能の低下を防ぎ、回復過程をサポートします。
特に骨折などでギプス固定を行う場合には、
- 筋肉の衰え(筋萎縮)
- 組織のむくみ(浮腫)
- 関節の固まり・拘縮(線維化捻挫後の慢性痛)
などの二次的な変化が起こることがあります。
SISは固定中でも深部筋へ刺激を届けることができるため、こうした機能低下をできるだけ抑えることを目指します。
③慢性期・リハビリ期(慢性腰痛・変形性関節症・肩関節疾患など)
深部の筋肉を刺激し、神経と筋肉の連携を再教育することで、身体の動きのパターンを整えます。
組織の修復が進んだ後、正しい身体の使い方を定着させることで、痛みを繰り返さない身体づくりをサポートします。
幅広い症状に対応
SISは骨折だけでなく、さまざまな運動器疾患に活用されています。
例えば
- ぎっくり腰
- 慢性腰痛
- 捻挫後の慢性痛
- 肩関節周囲炎(五十肩)
- スポーツ障害
- 膝関節症
- 筋力低下や機能障害
- 骨折後の機能回復
などです。
症状の段階や身体の状態に応じて、最適な刺激設定を行います。
当院の治療の考え方
わせだ整形外科では、再生医療や物理的治療を単独の治療としてではなく、治療全体の中の一つの役割として位置づけています。
- 体外衝撃波で組織を活性化し、
- 再生医療で組織の修復を促し、
- SISで筋肉や神経の働きを整える
それぞれの役割を組み合わせることで、単なる痛みの軽減ではなく、組織の修復、動きの回復までを目指す治療を行っています。
料金
収束型体外衝撃波
保険診療の場合(難治性足底腱膜炎のみ)
3〜4回照射が1クール(3ヶ月以内)で自己負担額は保険3割負担の方で15,000円
*保険診療のため、別途診察料などがかかります。
保険外(自費)診療の場合
| スタンダード・セッション(単体利用) | 料金(税込) | |
|---|---|---|
| 初回 | (2,500ショット) | 8,800 |
| 2回目以降 | (2,500ショット) | 5,500 |
| 学生 | (2,500ショット) | 3,300 |
拡散型体外衝撃波(圧力波)
拡散型圧力波は運動器リハビリテーションの一環として実施しており、追加費用は発生しません。
磁気刺激治療(高電磁波誘導器:SIS)
| スタンダード・セッション(単体利用) | 料金(税込) |
|---|---|
| 10〜20分程度 | 3,300 |
治療予約
※当院では、先進的物理療法を予約診療料で行っております。
難治性足底筋膜炎で体外衝撃波を行う場合、保険診療時間内に予約を取ります。
それ以外の疾患についても、当院では予約診療料を採用しておりますので、保険診療時間内で行うことが可能です。
予約方法について、電話または来院された際にご予約をお取りください。